いなくなれ、群青
いなくなれ、群青 / 河野裕
読了13冊目!
27時間の待ち時間が長くてもう1冊読んでしまった。
だって他の番組見れないし寝れないし出かけられないし、、笑
11月19日午前6時42分、僕は彼女に再会した。誰よりも真っ直ぐで、正しく、凛々しい少女、真辺由宇。あるはずのない出会いは、安定していた僕の高校生活を一変させる。奇妙な島。連続落書き事件。そこに秘められた謎……。僕はどうして、ここにいるのか。彼女はなぜ、ここに来たのか。やがて明かされる真相は、僕らの青春に残酷な現実を突きつける。「階段島」シリーズ、開幕。
普通に生活していたはずなのに、ある日急に「階段島」に連れてこられた主人公。そこは現実離れした閉鎖的な島だけど、魔女が管理していて、いろいろなひとたちが不自由なく生活している。ただ、連れてこられるまでの記憶がない。住人たちはそれぞれ「失くしたもの」があって、それを見つけないと元の世界には戻れない。
その世界で繰り広げられる話。
この本は一昨日、本屋さんで目立つところにあったから書いやした。題名と、帯の「切ないっ!」にやられやした。
最終的に、切ない~やるせない~って気持ちになる本がすごく好きです。おすすめあったら教えてください。バッドエンドが好きです。
これ、とてもよかった。なんと2016年暫定1位。難しすぎず、簡単すぎず、ファンタジーで、ごてごての恋愛もなく、とても私が好きなストーリー。
相手の台詞に対して、言葉じゃなくて気持ちで答える描写が多くて、わたしすごく好きなのねそれ、しかも主人公が男の子なところね。もどかしい!切ない!可愛い!
ヒーローとヒロインが真逆の人格で、それでもふたり一緒にいて、どうにか島を出る方法を探すんだけど、考え方とか感情をよく動かされる内容だった。
で、読み終わって気づいた。
これ、続きもんかよ。
(思いっきり背表紙に「シリーズ」って書いてあった)
まだ溜まってる本6冊くらいあるのに。
調べたらこのあと2冊出てる(T_T)
さては隣においてあったやつだな(T_T)
買わなきゃ(T_T)
ネタバレ。
主人公の七草と、ヒロインの真辺は小学生からのお友だちなんだけど、途中で引っ越しかなんか(理由はなかった)で離れてしまって、そのあと階段島で再会する。
とにかくふたりは性格が真逆。
理想主義の真辺は眩しすぎて、読んでても終始イライラする。みんながおまえみたいに考えられたら、幸せだろうなって思う。
で、読んでてなんで真辺といっしょにいんの、七草!って思うわけ。
「我慢と諦めは対義語」の真辺と
「我慢と諦めは類義語」の七草。
(この考え方は私にはなかった。学び。)
理想主義の真辺と、悲観主義の七草。
七草にとって、真辺は星だった。
純粋で強くて美しい真辺を、そのままにしておきたくて、自分の大好きなピストルスターに彼女を例えて、守ってきた。自分にその光があたらなくても、どこかで光ってくれればよかった。なのにその光を奪ったのは自分だった。そのことに、気付いてしまった。
彼らがいる階段島は、「人格のゴミ箱」。
自分が大人になる過程で、欠点となる性格を捨てて、それが集まったのが階段島。
七草はそれを分かっていて、でも階段島で暮らし続けた。でも、星である真辺が、自分の一部を捨てたことを許せなかった。でも、その原因を作ったのは自分だった。
―真辺由宇は僕にとってのピストルスターでよかった。群青色の空に浮かぶ、決して手の届かないものでよかった。この世界のどこかで、変わらず輝いていると信じられればよかった。その光が僕を照らす必要はなかった。それだけで僕の救いだった。それだけが僕の望みだった。それだけだった。本当に。なのに。
きっと僕たちは再会して、また一緒にいたいと願ってしまった。たぶん、同じ結末を目指したいといのってしまった。
だから僕たちは、矛盾する僕たちを捨てるしかなかったのだろう。七草は悲観主義を捨て、そして、真辺由宇は理想主義を捨てた。
「僕たちは本来、一緒にいちゃいけないんだ」
はへーーー。切ね~~~~。
好きだーーーーー。